質問内容
東京大学150年史の編纂に向けて、東京大学駒場キャンパスが開設された1940年代(昭和15年頃)から2010年(平成22年)頃までの東京大学教養学部(駒場キャンパス)の地図(棟の位置などが精確に記載されているものが望ましい)を閲覧したい。
回答の概要
東京大学教養学部(駒場キャンパス)は、1979(昭和54)年以降、20年おきに駒場キャンパスの周年史を発行しており、設立当初と周年史発行前年の配置図は各周年史に記載があることを紹介した。
それ以外の年度については、目黒区立図書館所蔵の住宅地図を提供した。
また、1955(昭和30)年と2014(平成26)年で建物の建設推移を比較することができる「重ね地図シリーズ 東京 昭和の大学町編」を提供した。
調査した内容
建物の精確な位置が一番わかりやすいのは住宅地図であると考えられるため、目黒区立図書館所蔵の住宅地図を確認したところ、『目黒区全住宅案内地図帳 昭和41年 目黒区全区』以降の住宅地図には棟ごとに記載があった。
そのため、この年以降の住宅地図を比較することで建物の位置及び建設推移について判明した。
- 『重ね地図シリーズ 東京 昭和の大学町編』(光村推古書院 2014年2月刊行)により、1955(昭和30)年と2014(平成26)年の地図を重ね合わせることで新たに建設された建物の比較が可能。ただし棟ごとの詳細記載はなし。
- 東京大学図書館でも所蔵がある以下の資料については、掲載ページを確認した上で情報提供を行い、学内で見つからない場合は、目黒区立図書館で提供可能な旨も併せて伝えた。
『教養学部の三十年(1979年7月刊行)』
→201ページに東京大学駒場キャンパス(教養学部)発足当初、202ページに1952(昭和27)年、203ページに1979(昭和54)年の建物配置図が掲載されている。
『駒場の50年(2002年1月刊行)』
→408ページに2001(平成13)年現在の教養学部建物配置図が掲載されている。
『駒場の70年(2021年11月刊行)』
→451ページに2020(令和2)年現在の教養学部建物配置図が掲載されている。
職員コメント(職員のひとこと)
目黒区立図書館では住宅地図を1958(昭和33)年発行のものから保存しているが、大学敷地内の建物の変遷を調査するときにも活用できることが判明した。ただし、昭和50年代までの住宅地図については数年ごとの保存である。
また、戦後の東京における都市再開発は、1964(昭和39)年に開催された東京オリンピックを契機としているため、敷地の一部が目黒区内となる駒沢オリンピック公園や、環状七号線・山手通り等の幹線道路の建設状況、旧東京教育大学(現在の駒場野公園周辺)や旧都立大学の施設(現在のめぐろ区民キャンパス及び深沢ハウス)なども、当時の住宅地図を活用して確認することができる。
なお、目黒区以外についても、都立中央図書館のウェブサイトの「東京都公立図書館住宅地図総合目録」で、都内市区町村図書館の住宅地図所蔵状況がわかり、同様の資料相談への回答が可能である。
調査した資料の一覧
調査したWEBサイトのURL(最終アクセス日2025年3月6日)
東京大学 大学院総合文化研究科・教養学部ホームページ内「駒場キャンパスの歴史」 (https://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/about/history/campus/index.html)
事例作成日
2025年3月6日