レファレンス事例紹介②

質問内容 

目黒区民キャンパスの敷地にある万葉歌碑の意味が知りたい。

回答の概要

目黒区民キャンパス敷地内の万葉歌碑は、以下の3首が刻まれている。

(1)第20巻4415番歌 作者:物部歳徳(もののべのとしとこ)
 「白玉を手に取り持して見るのすも家なる妹をまた見てももや」
(2)第20巻4416番歌 作者:妻椋椅部刀自賣(めのくらはしべのとじめ)
 「草枕旅行く背なが丸寝せば家なる我れは紐解かず寝む」
(3)第20巻4418番歌 作者:物部廣足(もののべのひろたり)
 「我が門の片山椿まこと汝れ我が手触れなな土に落ちもかも」

以下「調査した内容」の資料1、資料2に口語訳が記されている。

調査した内容 

目黒区民キャンパス敷地内の万葉歌碑を確認すると、3首それぞれの巻番号と歌番号が記されていた。
この番号をもとに、八雲中央図書館の公開書庫にあった以下の資料で口語訳を確認した。

資料1『新潮日本古典集成 万葉集 5』p.290

 (1)「大切な白玉をこの手に取り持ってしげしげ見るように、家に待つ妻、市の妻をまたこの目で間近に見たいものだ。ああ。」第20巻4418番歌
(2)「草を枕の旅にいくあんたがごろ寝をするのなら、家に待つ私は着物の紐を解かずに寝よう。」(第20巻4416番歌)
(3)「俺の門口近くの片山椿よ、ほんとにお前、お前には俺は手を触れないままでいたい。しかしこのままにしておいたのでは、地に落ちてしまうかな。」(第20巻4418番歌)


資料2『万葉集注釈 巻第20』p.155、p.157

(1)「眞珠を手に取り持つて見るやうに、家にゐる妻をまた見たいものだナア。」第20巻4418番歌
(2)「草を枕の旅を行く夫が着物をぬがずに丸寝をなさるならば、家にゐる私は着物の紐を解かずに寝ませう。」(第20巻4416番歌)
(3)「我が家の門の片山椿よ。ほんとにお前は私の手が觸れずに地に落ちるであらうか。」(第20巻4418番歌)

また、目黒区公式ウェブサイトの「万葉歌碑」のページに、関連ページがある。

調査した資料の一覧

No タイトル 著者名 出版者 出版年 参考ページ
資料1 新潮日本古典集成 万葉集 5
青木生子ほか 新潮社 1984 p.290
資料2 万葉集注釈 巻第20
沢瀉久孝 中央公論社 1968 p.155、p.157

調査したWEBサイトのURL

  1. 目黒区公式ウェブサイト「万葉歌碑」
    https://www.city.meguro.tokyo.jp/shisetsu/shisetsu/kumin_campus/manyokahi.html)(外部リンクに遷移します)